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本の紹介

読書を通して「一人の時間は楽しいもんだわ」と思ったのが、浪人時代。そんなワケで、“あおと”がこれまで読んできた「本」をご紹介いたします。


■『東京から考える』(東浩紀・北田暁大・NHKブックス)
少子化をくいとめるなら、子育て世代が住みたくなるような街=高級マンションと大型店舗を作るのが手っ取り早い。しかし、その結果、街の緑や地元の商店街は消えていく。。。この問題を解決するには、どうすればいいのか?
今のところ、私も明確な言葉を持ち合わせておりません。その葛藤を、あおとのブログに書きましたので、詳細はこちらをご覧くださいませ。皆様からのご意見をお待ちしております。

東京から考える―格差・郊外・ナショナリズム東京から考える―格差・郊外・ナショナリズム
東 浩紀 北田 暁大

日本放送出版協会 2007-01
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■『日本という国』(小熊英二・理論社)
杉並は西荻窪に、知る人ぞ知る『スコブル社』という古本屋さんがあります。ここのオヤジさんは、「反骨と風刺諧謔に富む奇人」として知る人ぞ知る存在です。店の名前は宮部外骨の発刊していた『スコブル』という雑誌に由来するらしい。『スコブル社』に入ると、オヤジさんに話かけられ、ついつい長話。その結果、何冊も古本を買ってしまうということになります。
(参考)はてな

『スコブル社』でたまたま見つけたのが、この本。『《民主》と《愛国》』で有名になった小熊英二氏が書いています。この本で小熊氏が“引用”している、いわゆる「保守」系の人の文章を、さらに“引用”してみます。

吉田茂
“再軍備などというものは当面とうていできもせず、また現在国民はやる気もない。…当分アメリカに(日本の防衛を)やらせておけ。憲法で軍事を禁じているのは誠に天与の幸で、アメリカから文句が出れば憲法がちゃんとした理由になる。その憲法を改正しようと考える政治家は馬鹿野郎だ。

三島由紀夫
『憲法改正』を推進しても、却ってアメリカの思ふ壷におちいり、韓国その他アジア反共国家と同列に並んだだけの結果に終ることは明らかだ。

見田宗介赤尾敏について書いた文章
「愛国党」の赤尾敏の演説を立ち聞きしたことがある。(急に演説の声を落として)わしだって、本当いえば、アメリカなんか大きらいなんだよ…


以下、小熊氏の文章です。

“「おかしい」日本のナショナリズム”
アジア諸国との関係はますます冷え込む。はたから見れば、自分より強い相手(アメリカ)には文句がいえないから、弱そうな相手(アジア)に八つ当たりしているようなものだ…。そうなれば、冷え込むアジア諸国とのあいだを取りもってもらうために、日本はますますアメリカに頼るしかない。
…まして第九条の改正なんかは、アジアの反発を買うだろうばかりでなく、三島由紀夫のいうとおり「アメリカの思ふ壷」だ。…日本と自衛隊が「米国の番犬」にされるという結果を招きかねないだろう。

日本という国日本という国
小熊 英二

理論社 2006-04
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■『「私」のための現代思想』(高田明典・光文社新書)
「私」とは何か?と尾崎豊みたいに、人は盗んだバイクで走り出しそうになる十五の夜に考えたりしますが、この本はとても参考になるかと思います。

本書では、私たちを束縛している要素として、“言葉・価値・社会・身体・他者”を考えてゆきます。そしてこれらは、「自由になるための武器」となるということを紹介してゆきます。

それでは一体、「私」とは何か?

「私」とは「他者」によって支えられている存在者です。たとえば、デカルトという人が、“我思うゆえに我あり”と言いましたが、その「我」とは、「他者」によって存在している、ということを現代思想の考え方を通して説明しています。
したがって、「私」が「他者」によって支えられている以上、言い換えれば「他者」によって生かされている存在である以上、「他者」を排除することは、「私」の可能性をも排除していくことになってしまいます。そう考えると、「他者」を排除して《自己責任》・《自己実現》で生きていけ!という今の社会の風潮は、「私」という存在が生きていけなくなるということを意味しているのではないでしょうか。なぜなら、「私」は「他者」との支えあいによって、生きていける存在者だからです。

「私」のための現代思想「私」のための現代思想
高田 明典

光文社 2006-05-17
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■『お金に「正しさ」はあるのか』(仲正昌樹・ちくま新書)
とりあえず、モノだけでなく、“顧客満足”だの“サービス”だのと言っては、ココロも「お金」(貨幣)を通して売り買いされるこのご時世。その代表者が、そう言えばホリエモンでした。以下、本書より引用してみます(P201~)。

→マルクス主義は、「貨幣」がキリスト教的な秩序を崩壊させ、等価交換の原理に基づいて、市民の間に「自由」と「平等」を生み出したことは評価するが、それに伴って市民たちの間に所有に対する飽くなき「欲望」が呼び起こされ、市場での「競争」によって貧富の格差が拡大にすることを問題にする。マルクス主義的な視点に立てば、「貨幣」の自己増殖運動としての「資本」を廃棄し、…(略)…“不自然に”膨れ上がっている「欲望」を正常化しない限り、人類全体にとっての真の“正義”は実現しない。

とマルクス主義は考えるらしいのですが、それに対して著者の仲正氏は、ジョン=ロールズの『正義論』を紹介しております。以下、引用です。

→社会福祉促進のための富の「再配分」の原理をどのように根拠づけ、かつその実現のための具体的なルールを、どのようにして皆の「合意」を形成しながら選択するのか。…(略)…全員が本当に納得できるような包括的な「合意」を形成するのは難しい。…(略)…金持ちでその地位が安定している人たちが「再配分」の規模も対象領域も最小限にしてほしいと思うのに対し、貧乏人は可能な限り広範囲にわたる再配分を望む傾向があると考えられる。
そこでロールズが考案したのが、有名な「無知のヴェール」(自分と他人を比較する能力を一時的に停止させること)である。…(略)…ほとんどの人は、自分が競争の勝者になるか敗者になるか予想できない時、とにかく最悪の事態だけは避けようとする。どういう条件があれば「競争力の弱い私」が最低限の生活ができるか考えようとする。
…(略)…各人が「無知のヴェール」の下で、「最も弱い立場にある私」を想像しながらベストな再配分の方式を考えていけば、無理をしなくても“自然”と「再配分」的正義の在り方についての「合意」に到達できるのではないか、という考え方である。…(略)…「弱者の立場にある我が身を想像すること」を意識的に前面展開するという形で、…(略)…「(弱い)相手の立場で考えることが、自分自身にとってのリスク回避になる」という合理的判断に訴える

長い引用になってしまいましたが、 「競争力の弱い私」としては、ぜひ参考にしたいと思います。ちなみに「無知の知」と言ったのは、ソクラテスでした。


お金に「正しさ」はあるのかお金に「正しさ」はあるのか
仲正 昌樹

筑摩書房 2004-10-06
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■『魂の労働━ネオリベラリズムの権力論』(渋谷望・青土社)
シゴトを通して《自己実現》しよう!!とか、シゴトって楽しい!!とか、ヤリタイコトをシゴトにしよう!!みたいなコピーが、就職・転職広告などによく掲載されていますが、なんだか胡散臭いと思っていた頃に読んだ本です。
この本を引用したブログをこちらに書きました。

魂の労働―ネオリベラリズムの権力論魂の労働―ネオリベラリズムの権力論
渋谷 望

青土社 2003-10
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■『アンダースロー論』(渡辺俊介・光文社新書)
千葉ロッテマリーンズのアンダースローのエース、渡辺俊介投手の書いた本です。みんなと「違う」、「アンダースロー」。スバラシイじゃないですか。美しいじゃないですか。
「アンダー」で「スロー」でも「美しい」。そんな「アンダースロー」にかつて私は憧れて、試しましたこともありましたが、試しすぎて肩を壊しました(少年野球時代)。ちなみに中学時代は、両投げ・両打ちになりたい!と思って試しましたが、見事に失敗しました。
※ツッコミがきそうで怖いので一応言っておきますと、
このテキストは“slow”と“throw”をかけています。

アンダースロー論アンダースロー論
渡辺 俊介

光文社 2006-09-15
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